理系商社マンの日常

某商社に勤務する元理系院生が、商社の実態、海外出張、就活や志望動機等について赤裸々に語ります。

研究者のタマゴから商社マンの道に進んだ理由

予めお断りしておくと、自分は所謂五大商社ではなく専門商社に勤務している。
勤続年数は約5年(身バレ防止のため大まかに言っています)、
年収は800万程度である(これは事実)。

なぜこんな事を言い出したかというと、
自身の就活の時には、企業選びの軸のメインに年収が入っていて、
このブログをご覧の方もその点には間違いなく興味があると思ったからだ。
また、専門商社と総合商社ではそもそも業務内容が異なるため、
最初にお断りをしておきたかった。

専門商社と総合商社の違いは別途記事にするつもりだが、
前提としてこのブログは専門商社に関する記述が中心であることをご理解頂きたい。

専門商社志望の就活生はそのまま読み進めて頂ければと思うし、
総合商社志望の就活生も、専門商社との違いを知る手助けとして頂ければと思う。

前置きが長くなったが、自分の経歴を振り返ってみたいと思う。
自分は旧帝大の理系に進学し、大学院を修了して専門商社の営業となった。
(思い返してみると、理系で望んで文系就職をした同級生は1割程であった。)

なぜ理系の道に進まなかったのか、それには色々と理由があるが、ざっくり下記の通りだ。

①理系職は給料が低いケースが多かった
②技術職の配属リスクを感じた
③技術の解明より、技術の応用やアプリケーションに興味があった
④自身の強みが営業職の方が生かせると思った

これらを個別に解説していこうと思う。


①理系職は給料が低いケースが多かった
自分の専攻に関連した企業で、高待遇の技術職を見つけることは
残念ながら出来なかった。
実際には福利厚生などでカバーされるのかもしれないが、
それにしても…と思うものが多かった。
(日本は技術職への待遇が悪過ぎると思うが、この話はまたいずれ)

②技術職の配属リスクを感じた
修士一回の頃、某大手化学メーカーの技術職インターンに1ヶ月ほど参加した事がある。
大学院での専攻に関係なく、インターン初日に研究テーマを言い渡され、
そのテーマに1ヶ月取り組むというものだ。
自分が配属された所は非常に空気が良く、皆さん楽しそうにお仕事されていたのが印象的だった。
では、なぜそこに就職しなかったのか?

それは配属リスクを強く感じたからだ。

営業でも当然配属リスクがあるが、技術職は研究テーマを与えられると、
興味の無い事についても徹底的に考え抜く事が求められる。
また、営業が浅く広く学ぶのに比べ、技術は狭く深くを求められるケースが多く、
ともすれば「その分野の○○しかわかりません」となるため、別分野への異動や転職も難しい
興味が無くとも、いざやってみたら楽しい、と思えるタイプの人は問題無いが、
少なくとも当時の自分はそういうタイプではなかった。
そんなモチベーションで、好きで研究をしている人に勝てる気がしなかった。

③技術の解明より、技術の応用やアプリケーションに興味があった
日々研究を行っている中で、魅力的な研究を目にする機会は多かった。
しかし、魅力的=世に受け入れられるということは限らない
その技術を必要としている人に対して、タイムリーに情報発信できないとその技術は広まらない。
そう気づいた時、その技術を広め、「実生活でこのように役立てられますよ」ということを伝えていける仕事がしたいと感じたのだ。

④自身の強みが営業職の方が生かせると思った
これは就活のテクニックにも繋がっていくが、自分は口が達者でフットワークが軽い方だった。
反面、部屋にこもって何かに没頭することが苦手であったため、研究よりも営業の方が向いているのでは、とざっくり感じていた。
 
 
これら4つが、就活で言うところの「軸」となっていた。
ここから商社への志望動機に繋がっていくのだが、それはまたいずれ…